外壁塗装の見積もりと一緒に「屋根も塗りませんか?」と提案される場面は非常に多くあります。
外壁は塗装で防水・保護・寿命延長効果がありますが、屋根——とくにスレートは、紫外線・雨・熱の集中ダメージを受けるため、塗料の劣化スピードが外壁に比べて早いので「外壁と同じ感覚で屋根も塗装すればOK」という考え方は、残念ながら正しくありません。
この記事では、屋根専門業者として現場で感じる「塗装の限界」を正直にお伝えしながら、スレート屋根塗装を選択する際の正しいをポイントをお伝えします。
スレート屋根とは

スレートとは、セメントに繊維素材を混ぜ合わせて板状に成型した屋根材です。
「カラーベスト」と呼ばれることもあり、施工時に安価でデザイン性に優れていることから新築屋根に多く使用されています。
しかし、定期的なメンテナンスが必要で、メンテナンスをしても長くて30年程度で寿命となるので、コストパフォーマンスが良くない屋根材とも言えます。
スレート屋根の歴史
①1961年クボタがカラーベストを発売
アスベスト(石綿)含有で耐火性・耐久性・軽量且つリーズナブルな屋根材ということで、急激に普及しました。アスベスト含有なので30年以上の耐久性があり強度の観点から見ると優秀な屋根材といえます。
化粧スレート市場は後に松下電工が参入するもクボタがトップシェアを独占していました。
②2004年~石綿禁止によりノンアスベストスレート発売
石綿の健康被害が社会問題となり、石綿含有建材の製造・使用が禁止となり、石綿を取り除いたノンアススレートが発売されました。
しかし、耐久性の検証が不十分なまま多くの屋根に使用され、築後10年程度でボロボロと欠け・めくれが発生したりと非常に脆い屋根材で訴訟等も起こりました。代表的な製品は、ニチハのパミール・クボタのコロニアルNEOで現在もお困りのオーナー様から多くの相談をいただいています。この頃の製品は非常に脆弱なため塗装が出来ないスレートです。
③改良を重ねた現在のスレート
ノンアス問題により改良を重ねたものが、現在のスレートです。期待される耐用年数は30年程度とされていますが、初代アスベスト含有製品と比較すると強度面では劣ると考えます。
2003年にクボタと松下電工がクボタ松下電工外装(現ケイミュー)として統合され、以降一貫して同社がトップシェアを維持しています。
スレート屋根の塗装は意味がある?
結論からいうと「美観の向上」目的であれば意味があります。外壁が綺麗になったのに屋根がボロボロだと残念な気持ちになってしまいます。
しかし、「寿命の延長」目的であれば意味がありません。塗装をしたからといって屋根の寿命が延びることがありません。むしろ誤った塗装方法では雨漏りを引き起こす原因となってしまう場合すらあります。
また、上記「②」2008年迄のノンアススレートは塗装が出来ないスレートです。
当社の考える屋根塗装の施工価値は、屋根の劣化が進んでいなくて「美観の向上」「機能維持」を目的とする場合に限ります。
屋根専門業者として、お客様からの相談や現地調査で点検した際に、
「塗装をしたら屋根の寿命が延びるといわれてしたが直ぐに剥がれてきた」とのお声や、
「ヒビ・割れのある劣化の進んだ屋根をむりやり塗装した痕跡」など見受けられる事が多くあります。
しかし、屋根にヒビや割れがある状態で塗装しても屋根の下に下葺材があるので直ぐに雨漏りすることはほぼないので、お客様が気付くことは殆どありません。また、塗装する際に劣化の進んだ屋根に乗って塗るわけですから、メンテナンスのつもりの屋根塗装が屋根の寿命を縮めてしまうことすら多くあるのです。
「美観の向上」が目的の場合は、屋根塗装の施工価値はありますが、残念ながら何でも請負う塗装業者も多く、状態の見極め・専門知識のある業者へ依頼することが重要と考えます。
スレート屋根塗装のメリット・デメリット
メリット
- 美観の向上
- コケ・藻の防止
- 屋根材の保護
- 費用が安価
デメリット
- 屋根の寿命は延びない
- 再メンテナンスが必要なので長期的に見ると費用がかさむ
- 正しい知識のない業者に依頼すると雨漏りリスクを高める
- 劣化屋根には塗装出来ない
結論!目的次第で意味がある
屋根塗装の主目的は「美観の向上」です。
綺麗に塗装した屋根は家が蘇ったかと思うほど気持ちがいいものです。
屋根塗装で屋根自体の寿命が延びたり、雨漏りの修理となることはありませんが、ご自身の屋根が条件に合致する場合は屋根塗装の意味があります。
ただし、見えない屋根の塗装は、専門知識が必要となりますので信頼の置ける業者へ相談しましょう。
京都長岡京市・大山崎町・向日市の外壁・屋根塗装はお気軽にご相談ください。





